インプラント対談その2

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インプラント対談その2 歯科放談第一弾 インプラント談義

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身の程を知る

きぬた:
身の程を知らない、勘違いする歯科医師が沢山います。例えば、私が知っているだけでも、新宿でドイツ料理店を経営していた歯科医師、青山にイタリアンレストランの経営に乗り出した歯科医師、自分の趣味でしょうか、釣り具屋を経営していた歯科医師、地方ですが、景気が良かった昭和40年代に、ゴルフ場経営にまで乗り出す歯科医師までいました。
ヨルグ:
皆さん、うまくいっていますか?
きぬた:
行く訳がないでしょう。(笑)因みに全て破綻しています。誤解を恐れずに言えば、国立・私立を問わず、志が高く、能力がある人間は歯科医師にはならないと思いますよ。ですから、一つの事に専念するべきなのです。 能力が無い人間でも、一つの事に絞って努力をすれば、それなりの結果が、必ず付いて来ると思います。
ヨルグ:
どうして本業以外の仕事をするのですか?
きぬた:
それは歯科医師の置かれた、微妙な立ち位置といいますか、環境がそうさせるのかもしれません。根拠の無いプライドが生まれ易いのです。
ヨルグ:
具体的に教えて下さい。
きぬた:
背中を丸めて、来る日も、来る日も、歯科医業をこなしていると、段々と自分が小さくまとまっていく感じがして、焦りを覚えるのです。ところが周りの人達から、先生、先生と呼ばれて、おだてられる。日々の生活の中で、それほど、人に頭を下げる必要もない。
そういった状況が、歪んだプライドに繋がり、自分は一介の歯科医師では終わらないぞ、という気持ちにさせるのではないでしょうか?
ヨルグ:
良くわかりませんが、難しい話ですね。
きぬた:
一介の歯科医師で充分だと思うのですが、かけがえのない自分ですから、そうはいかない人が多いのです。他業種に進出して実業家然とする歯科医師、歯科医師向け講演会の講師をする歯科医師、多店舗展開する歯科医師など、具体例を挙げたらキリがありません。
自分を大きく見せたいのでしょう。その気持ちも、理解出来なくはありません。しかし見栄を張っても、所詮は歯科医師です。それ以上でも、それ以下でもありません。
皆さん、患者さんを多少なりとも、犠牲にしているはずです。 診療以外の事にエネルギーを使う訳ですから、当然と言えば、当然ですが。 更に最近では、マーケティング関連の講演をする歯科医師が急増しています。
今や歯科専門雑誌の裏は、マーケティングの広告で一杯です。
ヨルグ:
マーケティングとは、経営セミナーみたいなものですか?
きぬた:
そうです。経営セミナーに限らず、講師の皆さんは、同業者に語る事によって、優越感を感じられるのでしょう。特に経営セミナーの講師にはその気持ちが強い。
私はそういった所に参加する歯科医師に言ってあげたい。
参加費を支払ってわざわざ聞きに行く訳ですから、下らない講師(歯科医師)の与太話でなく、まずは、年間の売上・経常利益・有利子負債・現金預貯金くらいは聞きなさいと。ついでに自己資本率も。でないと、本当の意味での経営セミナーとは言えないでしょう?
もっとも、財務内容を全て開示しろなどと言ったら、経営セミナーの講師はいなくなってしまいます。(笑) 残念ながら、その程度の講師、経営セミナーでしかないのです。

そう言えば先日、書店で「資産10億 攻める美人投資家」なる胡散臭い本を見つけました。要は不動産投資の本でしたが、そういった本には有利子負債等は一切書いてありません。
ヨルグ:
資産は現金ではありませんしね。
きぬた:
そうです。例えば多店舗展開している歯科医院は、先の美人投資家と似ていますよね。見かけのキャッシュフローだけしか見ていない訳ですから。他業種ですが、ダイエーはかつて、チェーンストアでは全国一の売上、店舗数を誇っていましたが、あの様な結果になりました。ましてや歯科医院は零細企業ですから、背伸びをせず、身の程を知って、日々患者さんと向かい合う事が大切だと思うのです。そうしないと、患者さんが迷惑するからです。いつも不在の院長、入れ替わりの激しい雇われ院長、経費を少なくするために、材料費をケチる医院。結局、最後は患者さんにツケがまわる様になっているのです。
ヨルグ:
勉強になりました。
インプラント対談の風景

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